教員らしくない教員のブログ

どれだけ知名度があるかわからない特別支援学校という学校で働く教員として「自虐」「誇り」「ガジェット」中心のブログ。

生活するための指導?日常生活の指導って?~特別支援学校の授業~

タイトルにもあるとおり「日常生活の指導」について書いていく。

ちょうどコロナウイルスの影響で休校になり、障害児たちの行き先の問題が問題になり始めるころだと思う。

そこで障害児が快く受け入れてもらえるかどうかは、この日常生活の指導での内容がかなり関わってくる。それを踏まえて読んでもらえるとうれしいなー

 

特別支援学校に関して知らない人にとってはこの指導名はとってつけたような名前だけど、ちゃんと学習指導要領に記載されている。

 

何を指導するの?

多分名前から想像ついていると思うけど、本当に日常生活の指導をする。


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丁寧に説明しようとすればするほど、マジポルナレフ状態になっていく……

一応項目として挙げると

・着替え

・身だしなみ

・整理整頓

・清潔

・排泄

・食事

まだまだある、、、だって日常生活の中で必要になることだから。名前も日常、、、あ!またポルナレフになる、、、

次からそれぞれどのように指導しているのかを説明していく。

ちにみに日常生活の指導ってめちゃめちゃ大変で難しいから。まとめでもいうつもりだけど。

・着替え

「着替え」の活動内容は私たちが行っていることと全く同じ。だけどそれを一人でできるようにするにはかなりの支援が必要。

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こんなイラストだけじゃ全く伝わらない。


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※つくば特別支援学校から借りました。

こんな感じ。これぐらいやって当たり前。この内容も生徒の実態によっては変えていく必要がある。


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※つくば特別支援学校から借りました

これぐらいでできる子もいる。

・整理整頓


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1例だけど、こんな感じ。

これはとても分かりやすい。一対一対応で片づけられるようになっている。

名称と一緒にイラストもあるし。

※にののシステム科学講座さんから借りました。

・清潔


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※個人のブログからお借りしました。

てを洗うこともこうやって手順表にすると効果的。

・排泄

借り物ばかりになるからここで写真はやめる。

排泄は「トイレ内で排泄をする」が大前提。その次にスリッパの履き替えおしりを出さずにおしっこをする。とか。

・食事

まず道具を使って食べる。次に食器を持つ。こぼさず食べるなど。

以上。必要最低限も書いてないけど、日常生活の指導はしっかりかくと、一冊本が書けるほど。しねる。

日常生活の指導って授業なの?

授業であって、授業ではない。というのも「数学」「国語」など「起立・礼」などをして始めるものではない。朝の登校後、

「リュックから持ち物を出す」→「連絡帳・水筒・上着等を所定の位置に置く」→「トイレへ行く」

など登校後行う当たり前のことをとおして指導していく。

だから日常生活の指導は一日を通してずっと行われている。体育の授業中靴のかかとを踏んでいる生徒がいた場合、正しく履くように指示する。これも日常生活の指導にあたる。

日常生活の指導で重要なこと 

・視覚支援

・生徒の実態に合わせること

・継続、連続性

・教室環境の整理

・家庭との連携

他にもあると思うけど、個人的にこれを大切にしている。

支援学校での指導の基本になるけど生徒の参考になるようなイラストや表などを使わずに指導することは倍以上の労力を払うことになりがち。

「こうやるんだよ」「あっちをもって、、、」「今度はこっち、、、」

「こう」という言葉はなかなか伝わらない。これが伝わるようになるには、伝えたいことのほとんどを生徒が理解している状態。もしくは認知レベルがとても高い子。

 

日常生活の指導は毎日、そして一日中指導するものだから、一人ひとりの実態を正確に把握することが大切。というのも実態にあっていない指導ではその生徒は変わらない。でも教師はできるようにしようとするため、どんどん熱が入っていく。でも生徒は変わらない。その結果、生徒が嫌になるか教員が嫌になるかのどちらか。

あとは、学校生活だけで日常生活の指導は完結しない。

よく言われることだけど、生徒の生活の基盤は、「家庭」

家庭で甘々な場合は、なかなか定着しない。学校でできるようになっても家庭ではやらないとかになってしまい、そのできるようになった力はどこで発揮するの?!状態になってしまう。だから4月か5月に行う懇談で、しっかり保護者に伝えていく必要がある。

まとめ

日常生活の指導での究極の目標は

「自分の身の回りのことは自分一人で完結できること」

もしくは

「できないこと理解して、人に協力してもらい生活すること」

だと思う。まぁ細かいことを言うと障害種によっては大きく変わってくるんだけどね。

 

日常生活の指導を徹底して行っている学級は、やはり穏やか。

昔から「健全なる精神は健全なる身体に宿る」

とはうまいこと言ったものだと思う。

 

今大問題になっているコロナウイルス

休校になり障害児たちは事業所で預かってもらう。けど全員預かったもらえる環境でもない。ということは家庭で見ないといけないか、慣れていない受け入れ可能な新しい施設に行くか。

こうなったときに重要なのは

「どれだけ一人で自分のことをできるか」

「まわりの人にストレスを与えず生活できるか」

厳しい言葉かもしれないけど、どこの事業所も人手が足りないから、できることが多い子どもの方が助かる。これを達成するために教員も保護者も日常生活の指導に力を入れていると思う。

日常的に発揮される力だけど、真価は非常事態時に発揮されるのだと思う。

 

次は、、、作業学習のことでも書こうかな。

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