教員らしくない教員のブログ

どれだけ知名度があるかわからない特別支援学校という学校で働く教員として「自虐」「誇り」「ガジェット」中心のブログ。

授業なのに同じことを繰り返す?私語厳禁?作業学習~特別支援学校の授業~

 特別支援学校の授業について「生活単元学習」「日常生活の指導」を書いてきた。今回は「作業学習」について書く。

ちなみに知的障害児が就職する場所は大体が施設(昔は授産所)といわれているところ。

まぁ学校によって進路先というのはいろいろあるから細かく言い始めたらきりがない。

施設での仕事は

・バリ取り

・何かをひたすら磨く

・何かの規格をひたすらチェックする

とかがある。工場のライン作業的な感じをイメージしてもらえばいいかな。内容はそこまでではないけど、、、

 

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作業学習って何をするの?

作業学習はほかの授業とは一線を画している。

特別支援学校の授業は基本的に、生徒が楽しいと感じるような工夫をしている。例えば、好きな食べ物のイラストを使ったり、NHKの子供向け番組のキャラクターに扮したりするなど、生徒が自然に注目できるようにしている。

しかし、作業学習では黙々と授業に取り組めるようにする。

作業内容は

・薪作り

・紙をすいてはがき作り

・牛乳パックの洗浄

・かご作り

・窯業

・畑仕事

・花の剪定

などなど、、、

あげるときりがないくらい様々なことをしている。

 

どんな授業をしているの?

上記のとおり作業時は黙々と取り組むことが求められる。だから、授業の様子としてはとても静か。(実態によっては静かになりきらないところもある)

授業もクラス単位で行っているのではなく、学年全体で行う。

活動方法もみんな同じことをするのではなくて、作業過程を細分化しそれぞれの担当制にしていることが多い。

例えば

1班:洗い

2班:拭く

3班:裁断

など、、、

この担当は生徒の実態に応じて決めている。だから、基本的にどの生徒も担当の役割を果たせるようになっている。

教室と思うな、職場と思え

作業学習をする上でこのように考えたり指導する学校もある。

だから、当然元気な挨拶や返事ができたほうが印象が良い。そのため警察学校ではないけど、ハキハキとして言葉遣いの指導もする。

それくらい作業学習で求められるの力は就職に直接係わってくる。私たちも仕事上でよく言われることに「ほうれんそう」がある。知的障害の生徒に「相談」はなかなか難しいと思うが、それも求める。授業内でのやりとりとしてはこんな感じ。

「報告します。洗い終わりました」←報告

「破れてしまいました。どうすればよいですか」←連絡・相談

な感じ。

基本的には私語はあまり認められておらず、静かに作業できるように教員も必要最低限の言葉しか話さない。

指導方法も、基本的に少し離れてみる。

などかなり一般的な授業としてみると違和感のある指導方法だと思う。

思考停止が推奨?

思考停止で作業をしてほしいわけではない。しかし、より効率的に作業をしよう!と思っていろいろ工夫することは止めている。

教育上、問題解決能力というのはかなり大切で私もそれに同意しているけど作業学習に関しては違ってくる。

将来就職した際「この注文書とおりに作ってくれ」と依頼があったときに、工夫する力を出して、注文書を若干違う製品ができあがるとかなり困るからだ。

思考停止で作業をしてほしいのではなく、一つ一つミスの内容に、集中して取り組めるように、あえて効率化などをしなように指導している。

この感覚はかなり特殊だから、地域の学校の先生にはあまり伝わらないかもしれないな、、、あとクリエイティブな作業をしている場合は自分で問題解決していかないといけないから、当てはまらないけど、、、

まとめ

作業学習は授業の中でも直近の将来に関わる力を伸ばしている。就職する際に

・一日椅子に座って穏やかに仕事ができます。

・手順表があれば、それ通りに完璧に完成させます。

・元気な挨拶、返事ができます。

このような力を持っていると相手(施設)から喜ばれることが多い。ということは就職や入所がスムーズに行える。

作業学習は指導していてもつまらないし、見学に来る方々も、すぐ飽きてしまう。ただ教員がつまらない、見ている人が飽きてしまう。ということはその作業時間は黙々と決められたことを生徒は行っていることを表わしているいるのだと思う。

作業学習はつまらなければつまらないほど、生徒が集中している証拠になるのかなーと思う。

作業学習のこと書いたから、次は進路のことでも書こうかな。